凍結乾燥(トンギョルゴンジョ)
TL;DR · 由来「동결건조(凍結乾燥)」は本来、食品や医薬品を凍らせたうえで水分を昇華させて取り除き、元の形状と成分を長く保存する工程を指す工学用語です。韓国のインターネットではこの語を人に転用し、大切な相手がこれ以上年を取らず、今この姿のまま長く側にいてほしいという思いを表す愛情語として用いています。最も広く知られた形は「엄마 동결건조 시키고 싶다(母を凍結乾燥させ…
由来
「동결건조(凍結乾燥)」は本来、食品や医薬品を凍らせたうえで水分を昇華させて取り除き、元の形状と成分を長く保存する工程を指す工学用語です。韓国のインターネットではこの語を人に転用し、大切な相手がこれ以上年を取らず、今この姿のまま長く側にいてほしいという思いを表す愛情語として用いています。最も広く知られた形は「엄마 동결건조 시키고 싶다(母を凍結乾燥させたい)」で、あるX(旧ツイッター)利用者の投稿で登場し、そこからSNS全般へ広がったと報じられています。親の老いを見つめる気持ちを言葉にしづらい10代・20代が、感情をそのまま示す代わりにこっけいな保存工程にたとえて表現したことで、大きな共感を得ました。2026年7月には報道機関がまとめた上半期の新語ガイドにも「凍らせて永遠に取っておきたい」という意味の項目として収録されました。
用法
対象の現在の状態をそのまま留めておきたいという愛情表現として使われます。直接的な愛の言葉や心配を口にするのが照れくさい関係において、感情の大きさは保ったまま表現の温度だけを下げる緩衝装置の役割を果たします。代表的な使用場面は次のとおりです。
- 両親の写真を上げて「うちの母を凍結乾燥したい」とキャプションを添える場合
- ペットが年を取るのが惜しいときに「今の状態で凍結乾燥」と書く場合
- 好きなアーティストの特定時期のビジュアルや調子について「この時点で凍結乾燥」と反応する場合
家族やペットのように愛情の方向がはっきりした相手に使うときが最も自然に受け取られ、関係が近くない相手に用いると意味がぎこちなく伝わりうる点も併せて指摘されています。
拡散と系譜
この表現は、韓国インターネットの「技術用語を感情語に転用する」方式に属します。精神状態を工学的な語で叙述した「멘붕(メンタル崩壊)」、相場や確率の語彙を日常に持ち込んだ「떡상」などと同じ系列で、感情を直接言う代わりに機械的・物理的な処理過程にたとえて距離を確保する点が共通しています。とりわけ「동결건조」は、対象を壊さず原形を保ったまま保存するという工程の性格が、そのまま感情の中身と重なる点で、単なる語呂合わせより比喩の精度が高い事例として挙げられます。拡散の過程では、母親への愛情ミームという狭い用法から出発し、ペット、アイドル、友人、さらには特定の季節や場面へと対象が広がりました。2026年5月には「今どきの子どもの愛情表現」という観点で報道の題材となり、同年7月の上半期新語まとめ記事に再び載ることでミーム外の読者層にも意味が知られました。
出典
- 「今どきの子どもの愛情表現…母に向けた愛情ミームがSNSに拡散」(2026年5月9日 報道) — 最初の投稿と拡散経緯
- アジアトゥデイ「[カードニュース] 2026年上半期 新造語まとめ」(2026年7月23日) — 当該項目を収録





