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凡夫

TL;DR · 由来 「범부(凡夫)」はもともと仏教用語である。真理を悟れず煩悩に縛られたまま生きる俗世の平凡な人を指す語で、韓国語でも古くから漢字語として使われてきた。この古めかしい語が2020年代にネット流行語として蘇った契機が、日本の漫画『呪術廻戦』である。 決定的な場面は2023年9月24日に公開された第236話だ。「人外魔境 新宿決戦」編で五条悟との決戦が終わった

由来

「범부(凡夫)」はもともと仏教用語である。真理を悟れず煩悩に縛られたまま生きる俗世の平凡な人を指す語で、韓国語でも古くから漢字語として使われてきた。この古めかしい語が2020年代にネット流行語として蘇った契機が、日本の漫画『呪術廻戦』である。

決定的な場面は2023年9月24日に公開された第236話だ。「人外魔境 新宿決戦」編で五条悟との決戦が終わったあと、両面宿儺が倒れた五条を前に「さらばだ、最強。俺のいない時代に生まれただけの凡夫よ」と告げる。作中で最強と呼ばれた人物の格を、実力ではなく時代の巡り合わせの問題へと引き下げる台詞である。

台詞の構造

この台詞がミーム化した理由は、嘲りの形が特異だからだ。通常の勝者の台詞は「お前が弱かった」で終わるが、宿儺は五条の強さそのものを否定しない。代わりに「お前が強かったのは俺のいない時代だったからだ」と言う。相手の成果を認めるふりをしながら、その成果が成立した条件ごと奪い取る構造で、正面からの侮辱よりも打撃が大きい。

そこに「凡夫」という語の古い語感が重なる。日常ではほとんど使わない漢字語をわざわざ持ち出して相手を「ただの普通の人」と規定するため、格式ばった言い回しで振り下ろす侮辱という印象が生まれる。第236話は人気キャラクターの敗北を描き読者間で大きな論争を呼んだ回でもあり、台詞は原作ファンダムの外にまで広がった。

用法

  • かつての強者をからかうとき — 「OOのいない時代に生まれただけの凡夫よ」
  • 世代交代を宣言するとき — 新人が現れ従来の一人者が押しのけられた際の締めの一言
  • 記録比較の論争で — 相手の弱い時期に積んだ記録だと切り捨てるとき
  • 自嘲するとき — 自分を指して「俺はただの凡夫だ」
  • 単独で — 相手を平凡と規定する一語だけの嘲り

派生と変種

最も多い形は、原文の「最強」の位置に別の名前を入れる置換型である。スポーツ選手、プロゲーマー、アイドル、企業など「かつて頂点にいて今は押しのけられた」対象なら何でも当てはめられる。対象が実際に強かったことを前提として敷くため、単なる罵倒よりもファンダム間の論争で多用される。

逆に「凡夫」だけを切り出して名詞として使う用法も定着した。この場合は原作の文脈が消え、単に「平凡な人」「大したことのない人」という意味になり、『呪術廻戦』を読んでいない層まで使うようになった。仏教用語だった語が漫画の台詞を経て一般のネット語彙に着地した形である。

出典

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